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第24回 事業リスクを考える

2008年2月26日

企業が事業活動を持続的に展開していく上では、「事業リスク」は避けて通れない。しかし、事業リスクと一言で表現しても対象は幅広い。平成16年3月期の有価証券報告書から開示が義務化されることとなった「事業等のリスク」の記載内容をみると、「為替変動」「規制の変更、立法・法令改正」「製品市況の変化」「景気変動」「原材料市況の変化」などが多く挙がっている。これ以外にも「地震、津波などの天災」、「海外における暴動やテロ」、昨今の不祥事であれば、「製品検査・試験のミス」、「機密情報・個人情報の漏洩・紛失」など幅広いリスク要因が記載されている。


記載の多かったリスク要因(日経225対象企業)

記載順 リスク要因
1位 為替変動
2位 規制の変更、立法・法令改正
3位 製品市況の変化
4位 景気変動
5位 原材料市況の変化

(出典)「日経225企業の有価証券報告書におけるリスク情報開示状況分析レポート(2007年度版)」

(株)インターリスク総研 より


企業におけるリスクマネジメントの基本的なアプローチでは、

(1)リスク管理体制の確立(リスク管理の推進事務局の設置、リスク管理規程の整備など)、

(2)当該企業にとってリスク要因の洗い出し、

(3)個々のリスクの発生頻度と(そのリスクが発生した場合の)損失額を見積もる、

(4)このうちその企業として対処すべきリスクを絞り込み、そのリスク要因の発生可能性を減じるための予防と対応策を決定し、予防と対策を一定期間内に実行する、

(5)「予防と対策」が具体的に実行されているかをモニタリングする、

が一般的に行われている。そして、このうち(2)?(5)を定期的にPDCA(P:Plan=計画、D:Do=実行、C:Check=チェック、A:Action=アクション)のサイクルとして回すことが重要だとされている。

天災や製品事故、情報漏洩など個別のリスク要因については、大企業を中心にこれらのアプローチはだいぶ浸透してきている。しかし、「特定事業におけるその事業自体のリスク=事業リスク」をどう捉え、対処方針を整備しておくかについては、明確にしていない企業は多いのではないだろうか。

年初から話題となった中国製ギョーザの中毒事件では、食品事業を事業の一つの柱として拡大戦略をとってきたJTが、冷凍食品事業で他社との事業統合を凍結する事態に追い込まれた。次世代DVDの規格競争では、東芝がHD-DVD事業からの撤退を決め、家電量販店での販売をはじめ消費者に影響が出ることとなった。

経営における「選択と集中」という言葉が使われて久しいが、事業リスクをどのように見極め、縮小なり撤退を判断するのか、いざと言う時のために、事業の縮小や撤退のルール作りを検討しておく必要があるのかもしれない。

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