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第11回 製造事業者と消費者の双方の努力

2007年5月15日

製品に原因があって重大事故が発生した場合に、製造会社・輸入事業者及び関連事業者が国へ報告を義務付ける改正消費生活用製品安全法(消安法)が、5月14日に施行された。これは、昨年、ガス瞬間湯沸かし器の一酸化炭素中毒事故、家庭用シュレッダーによる指切断事故など、一般家庭用品での重大事故が相次いだことから、消費者保護の観点から整備された法律である。


「消安法」のポイント

同法のポイントは、「重大事故の報告義務」「経済産業省による公表」「製造・輸入業者及び関連事業者の義務」「報告義務に違反した場合の措置」である。

まず、「重大事故」については、例として?死亡事故・身体的な重傷病(治療に30日以上用する場合)・一酸化炭素中毒・火災?を挙げている。「重大事故の報告義務」では、製造事業者や輸入事業者は事故の発生を知ってから10日以内に、当該製品の名称、事故の内容を経済産業省に報告することが義務付けられた。「経済産業省による公表」は、報告を受けた経済産業省は1週間以内に製品の一般名、事故概要、事故発生日などを同省のウエッブサイトで公表する。さらに、事故情報を分析し、事故の被害が拡大する恐れがある場合には、事業者名、機種・型式名を同省のサイトで公開するとともに、記者発表を行うとしている。「製造・輸入事業者及び関連事業者の義務」では、事故の被害状況を把握する上で、小売事業者、修理事業者、設置工事事業者などの関連事業者にも製造事業者への報告を求めている。「報告義務に違反した場合の措置」としては、報告を怠ると改善を義務付ける「体制整備命令」が発動され、命令に違反すると代表者に対し1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金処分が課されることとなる。


対象となる製品と同法の意義

対象となる製品は、自動車や医療機器など別の法律で安全が規制されているものは除かれ、家電・ガス機器・家具・玩具・キッチン用品など生活で利用される製品がほぼ対象となる。消費生活用製品安全法は、一般消費者の生命または身体に対する危害の発生の防止を図り、消費者の利益を確保することを目的に、1974年3月に施行されたが今回の改正のポイントは、製品事故の報告義務化と事故情報の公表(※1)である。

消費者にとっても、製品の安全に関する情報に多く接することができるようになったというメリットがある。また、消費者も事故にあった場合、その被害の大小に関らず、製造事業者や販売店、消費生活センター、経済産業省などに通知することが大切である。

製造事業者・消費者の双方の努力で、生活の安全を確保していくべきである。

(※1)重大事故に至らない製品事故事例についは、昭和48年から独立行政法人・製品評価技術基盤機構(nite:ナイト)が、製品事故情報を収集・分析している。消費者として生活用製品における事故を未然に防ぐためにも「誤使用防止ハンドブック」を一読されることをお勧めしたい。

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