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第10回 トップの姿勢

2007年4月27日

年度が変わり、新聞紙面では新社長のインタビュー記事が目に付くようになった。その組織や団体が公共事業体であろうと民間事業体であろうと、トップとしての組織運営の大変さに変わりはない。「トップのコミットメント」などという表現が良く使われるが、トップの行動や姿勢そのものが組織を変えていくという点について、異論はなかろう。

私事となるが、3年間ほど日本証券業協会という自主規制機能も備えた証券業者団体で秘書業務を経験し、トップの立ち振る舞いを目の当たりにしてきた。この時に学んだトップの姿勢として参考となる点をご紹介したい。


「行動力」と「現場の声を聞く」

大きく「行動力」「現場の声を聞く」「気配り」の3点に集約される。まずは、「行動力」と「現場の声を聞く」であるが、トップともなると、様々な情報が社内外から入ってはくるが、各種報告資料や定例役員会では、行間が伝わってこない。また、担当役員からの報告でも完璧ということはありえない。そこを補うために、トップとして実践していたのは、自ら出向いて専門家の話をヒアリングしたり、時には現場に足を運んで雑談交じりにライン部長クラスと会話をしながら、現場の執務状況やフロアーの環境衛生に目を配っているのである。

現場には、様々なヒントが転がっている。例えば、部門毎に集計された残業時間管理報告を見ても、なぜとある部門に残業が集中するのかという答えは書かれていない。季節的要因なのか、スタッフが不足しているのか、業務効率が悪いのか、現状の組織での対応に無理があるといった構造的な問題なのかなど、原因は様々考えられる。人事部長やその部門の担当役員・担当部長にヒアリングしただけでは、答えが見えてこないことも多い。ふらりとその部門を訪れて、担当者と会話した時に法制度そのものの対応のために、多大な業務時間をとられていたということがわかる場合もある。法制度の改正要求となると、議員相手のロビー活動が必要になってくる。それこそ、トップの出番である。


「気配り」

次に、ビジネスマンの気配りであるが、仕事をスムーズに進める上では基本であり実践されている方は多い。しかし、「叱る」といった場面ではどうであろうか。私も、叱られる事は数多くあった。仕事の進め方、顧客への対応など留意すべき点は、早めに直しておかないと癖になる。この点については、はっきりと問題点を指摘され厳しく叱られることが何度かあった。しかし、その直後は、さっぱりとして接して頂いた。そして、時には第三者を通じて叱った本人をフォローするような気配りもあった。学んだのは、仕事で叱ることと後を引かないことである。

今回紹介した「行動力」「現場の声を聞く」「気配り」は、トップに限ったことではなく、現場の若手リーダークラスにも当てはまると思う。少しでも共感できる点があるのなら、実践されることをお勧めしたい。

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