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第8回 内部統制整備の効果

2007年3月30日

内部統制という言葉に拒否反応を示す人は多い。それは、「統制」という2文字に管理する、縛るというイメージが付きまとうからであろう。一般的に、内部統制の整備というと規程やルールの整備、文書化の作業などを思い起こすが、内部統制の整備にどのような効果が期待できるのであろうか。


ルールや手順の明文化

会社の規模や組織の大小はあろうが、現場での業務の進め方を見つめなおすと問題点が浮き彫りになる。「口頭による指示が中心(内容や範囲、期限などが曖昧)」、「担当者ごとに異なる手順または意思決定が担当者任せとなっている・業務の遂行が個人の力量に依存している(担当者が異動したら対応が異なる)」、など一般的に想定されるものでだけでもいくつか挙がってくる。そして、それぞれにリスクが潜在している。しかし、これらの点についての内部統制の整備は、ルールや手順を規程やマニュアルなどで明文化することであり、それにより業務の標準化につながり、具体的な効果として、業務の質が維持される、人材の流動化に対応し業務の引継ぎやノウハウの伝承がスムーズになるといった結果が期待できる。


責任範囲の明確化

「指示が不明確で権限委譲が曖昧となっている」、「責任がどこにあるか明確になっておらず危機意識が欠如している」、これらもどこにでも見られる傾向である。これらに潜在するリスクは、ミスや不正が続いてしまう、ミスや不正の発見や対応が遅れて問題が大きくなる、その企業の体質として無責任な意識が蔓延する、などが考えられる。これらに対する内部統制の整備としては、各担当者に対して責任範囲を明確にしそれに対応した権限の付与が必要となってくる。これらにより、一人ひとりの責任が明確となって目標が設定しやすく、目標達成へのモチベーションアップ、問題が発生した場合に適切かつ迅速な対応が期待できる。


チェック機能の強化

現状での問題点を挙げると「同一人物が申請と承認処理を行っている」「業務内容について理解不足の者が承認・確認作業をしている」「パスワードが共有されている」があろう。これらについては、各業務プロセスの確認・承認作業に必要なルールの明確化・マニュアルの作成、承認者への適切な権限の設定が、内部統制上必要である。これらにより、ミスや不正のない正しい業務処理の遂行、チェック機能の有効性が確保されるなどの効果が期待される。


以上見たように、現状の問題点(リスク)を確認しながら、それらの発生確率を低減させるような内部統制の整備を行うことで、業務の効率化・法令順守、ミスや不正のない業務の遂行が期待できるのである。

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