企業経営
グループ組織を見直すとき

2013年10月16日

  • コンサルティング・ソリューション第二部 主任コンサルタント 小杉 真

年度下期を迎えた10月1日、数々の企業グループで法人格の変更を伴うグループ組織の改編が行われ、新体制が始動した。ハウス食品(現、ハウス食品グループ本社)のように組織を持株会社体制に移行した企業グループ、KADOKAWAのように一定期間持株会社体制を採用していたのを事業会社に統合した企業グループなど法的な手続きを伴うグループ再編だけでなく、社内の組織改編も含めると、グループ組織の改編は継続的かつ永遠のテーマである。

さて、グループ組織の改編はどういうことに起因するのであろうか。以下、いくつか考えてみよう。

1. 一つの大きな契機はM&Aである。事業や企業を買収してグループに取り込んだ場合、それまでと同じ管理体制ではシナジーを十分に得られないかもしれない。もともと社内に有していた事業と統合することにより、人員の再配置を含めた組織の見直しを行うこともあろう。また、グループ戦略としてM&Aによる成長を計画し、その準備のために持株会社体制を選択するケースもある。事業部門のしがらみをなくし、全体最適、経営資源の最適な投入の観点でM&Aを進める意図でもある。

2. 成長著しい事業の確立や新規事業の育成という視点で、事業部門の独立を組織として明らかにするケースもある。グループの一つの事業として個別に収支を明らかにして業績の「見える化」を図る。さらに成長した後には、別法人化してスピンオフ、それに伴って外部資本の導入という例も見られる。

3. M&Aを進めたり新規事業として立ち上げたりするなどして、子会社での事業を増やしていくと、グループ戦略に沿った事業ラインナップが揃うと同時にグループ全体としての管理部門のコストが重荷となっていく。再び機能を集約して経営の効率化や分散したシナジーの追求のためにグループ内を統合するケースも見られる。

4. 人材育成の観点で事業を別法人化するケースも見られる。現経営者がカリスマ化して次世代が頼ってしまう傾向が強い場合、あえて会社組織を作りその次世代をトップに据えることで自覚を促す、意識改革的な手段である。現経営陣が「任せるに足る」という信頼感を有し、権限を委譲することが前提であるが、より強い責任感が培われることが期待される。

組織は、戦略と課題によって常々変化を考えるものである。そして、事業の強靭化のために伸縮を繰り返す。各事業に対する経営資源の配分は経営陣に課せられた戦略策定に占める大きなミッションであるが、戦略を実現するためには、人材育成も含め中長期的視野に立った組織設計も同様に重要である。

こうした組織の設計は、社内だけでの検討が続くと、どうしても現有の社内人材(資源)で考えてしまう傾向が否めない。戦略と課題を中心に据えた組織像を検討するためにも、一度第三者機関を活用して検討してみてはどうだろうか。

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