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第4回 韓国にみるIT施策と企業行動

2009年10月13日

8月に10年ぶりに韓国ソウルを訪問する機会を得た。
韓国はいまやIT先進国として引き合いに出される国である。米Strategy Analyticsによると2008年の国別・ブロードバンド世帯普及率では韓国が首位(※1)となっている。韓国が首位となった要因は、政府による包括的な情報化施策と都市部に住む人口の割合が大きいことを挙げている。
情報化施策をみると、96年に施行された情報化促進基本法に基づいた第一次情報化促進基本計画(96-98)、サイバーコリア21(99-01)、ブロードバンドITコリアビジョン2007(2003?2007)と国家主導で中長期の発展計画が進められてきた。その結果、韓国の電子政府は先進国並みとの評価を得ており、韓国の電子政府ポータルサイトでは約400種の電子申請、約4000種以上もの申請書類の提供サービスが行われているという。

レンタル用の小型の携帯電話

都市部の人口についても、首都ソウルには約1030万人が住み、韓国国民の約5分の1が首都に集中している。
携帯電話も普及しており契約数ベースでみると、韓国の大手通信3社(SKテレコム、KT、LGテレコム)で約4700万とほぼ国民一人に1台保有している計算になる。8月に滞在したホテルの部屋にはネット接続用LANケーブルだけでなく、レンタル用の小型の携帯電話(写真中央右)も装備されていた。

ブロードバンドの普及を背景に韓国でも株式のネット取引は盛んだ。韓国の証券会社に聞いたところネット取引と対面取引の割合(件数ベース)は3対1であり、ネット取引を行う個人投資家はネット取引システムに早さを要求する傾向が強く、各社では可能な限り迅速にこれらのニーズに対応しているとのことだった。韓国の電子自治体に関するレポート(※2)でも、国民の意識として「システムを開発・施行してから、問題が出れば解決するといった方法をとることが多い。」と記述している。
サムスン電子の今年4-6月期の連結営業利益は前期比5.4倍の2兆5000億ウォン(約1900億円)と業績回復はめざましく、そのけん引役の一つに価格は高くなるが低消費電力で鮮やかなLEDテレビがあるという。高価格だが環境に配慮しているという点が評価につながったようである。
多少の不具合発生の可能性があろうとも迅速性を優先する、高価格となろうとも訴求できる付加価値に力点をおく姿勢がこれらにうかがえる。

入念な調査とマーケティングを否定するつもりはないが、「まずはトライしてみる」ことがいま大事なのかもしれない。

(※1)同調査では、日本16位、米国20位。

(※2)「各国の電子自治体の推進状況、第6章韓国の事例」P.142、(財)自治体国際化協会(2006/07)

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