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第2回 検索エンジンvs猿人(えんじん)

2009年6月25日

今やビジネスでもプライベートでもインターネットのない世界は考えられない。ビジネスパーソンにとって、アクセスする端末(パソコンや携帯電話)を限定しなければインターネットを利用しない日はないだろう。

総務省の統計によるとインターネット利用者数は、97年の1155万人から2007年末には8811万人と約8倍に、人口普及率でみても、97年の9%から07年には69%と、国民10人に7人がインターネットを利用している計算になる。(総務省・情報通信白書平成20年版)

インターネットの普及に伴い掲載される情報量も天文学的に増え、情報を探しだすための検索エンジンが登場するようになった。いまでこそ、Yahoo(ヤフー)やgoogle(グーグル)は当たり前だが、97年頃には、MSN、Excite(エキサイト)、Lycos(ライコス)、goo(グー)、infoseek(インフォシーク)などさまざまな検索エンジンが登場した。検索エンジンにも、ディレクトリー型とロボット型があり、前者は人手により既存のサイトを事前に調べ上げてディレクトリーを作成するタイプで、後者はネット上で公開されているサイトを巡回し、情報を収集しその結果を検索エンジンのデータベースに反映させるプログラムをもったタイプである。ロボット型検索エンジンが主流となり、さらにウェブページの重要度を評価するアルゴリズムを利用した「ページランク」という仕組みを利用して、グーグルが検索エンジンとして不動の地位を築いた。

検索エンジンの登場によりさまざまな情報を収集することが可能になり、居ながらにして企業情報のみならず、官公庁の統計データや審議会の議事録から学術論文まで幅広く情報を入手できるようになった。デスク上で、簡単な報告書を作成することも可能である。

しかし注意が必要なのは、インターネット内の情報は玉石混交で、質の高いデータやレポートが手に入る一方、個人の単なる感想や、思い込みによる意見もあふれている。ロボット型検索の欠点として、質の低い情報が検索結果のランク上位に入ってくる場合があることである。このため重要なのは、検索エンジンの活用に長けていることよりも、求められたテーマに対する「翻訳力」、「展開力」、「発想力」そして何よりも「情報リテラシー」があるかどうかである。

探そうとしているテーマの背景、そのテーマに関連する制度、所管する官庁・業界団体など、調査に対する一定の知識が求められよう。調査における一般的なデータ分類と情報ソースは下表の通りである。

ネット検索が便利な時代だからこそ、検索エンジンに頼り過ぎるのではなく、猿人つまり人間の調査能力が有効であることを再確認してもらいたい。

(図表)調査におけるデータ分類と情報ソース

データ分類 種別 情報ソース
一次データ 実態調査 定量調査(アンケート調査:郵送法、電話法)
定性調査(インタビュー調査:深層心理面接法、集団面接法)
実験調査 新製品の試販テスト、街頭でのモニター調査、消費者使用テスト
二次データ マクロ情報 官公庁白書及び統計、業界団体の年報・白書、業界新聞・雑誌、大学・研究機関のデータベース 等
ミクロ情報 有価証券報告書、事業報告書、CSR報告書、顧客満足度調査 など

(出典)各種資料より大和総研・情報技術研究所作成 

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