◆アメリカ、イギリス、ユーロ圏、中国、韓国について見ると、マネタリーベースが伸びればマネーも伸び、マネーが伸びれば貸出も伸びるという関係がある。ただし、今回の世界金融危機後では、マネタリーベースが伸びた割にはマネーが伸びず、マネーが伸びた割には貸出が伸びていない。
◆日本の場合、不況下でマネタリーベースを急拡大したときには信用乗数は低下したが、マネーの伸びは加速した。これは他の国の経験と共通している。日本が他の国と異なるのは、マネーが伸びても、貸出が一貫して減少していることだ。
◆不況期にマネタリーベースを拡大しても、それがマネーや貸出に結びつかないのは各国とも共通である。マネタリーベースの拡大がマネーや貸出に結びつかないからと言って、金融政策に効果がないとは言えない。
◆今回の危機が世界大恐慌に匹敵すると言われながら、先進国では2009年1年だけのマイナス成長で終わりそうなのは、各国の果敢な金融緩和が寄与している。金融危機においては信用乗数が低下するのは当然である。信用乗数の低下に対して、各国は、マネタリーベースをそれ以上に拡大してM2の伸びを維持するようにしていた。その中で日本は、ユーロ圏とともにマネーの伸びが低い国である。これは日本とユーロ圏の回復が遅れているひとつの理由ではないか
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