世界経済
先進国と新興国の成長はゼロサムか?

サマリー

10月19日、ブラジルが4年ぶりの利下げを決めた。やや鈍化傾向にあるとはいえ、9月の消費者物価上昇率は前年比8.5%とかなり高い。ターゲットの中心値が同4.5%であるから、中銀への市場の信認を損ないかねない決定だが、中銀は最近の外部環境に背中を押されたのであろう。年初以降、海外からの資金流入を伴うレアルの増価が継続しており、利下げがインフレ心理を悪化させるリスクは低いと読んだのだと思われる。本を正せば、先進国の金融緩和・引き締め先送りの波及効果である。こうした効果が広がりを見せ、新興国が世界経済の回復に資することが期待されるが、日欧では金融緩和効果の限界が意識され、レジームの転換や時期尚早な(?)テーパリングが取り沙汰され始めている。そして米国では追加利上げの可能性が高まりつつあり、新興国に吹く順風が持続的かは心もとないものがある。そもそも、先進国の景気が悪いから(緩和が必要だから)新興国が利益を得るというゼロサム的構図は長期的には維持困難であろう。むしろ、これから問われるのは、金融緩和効果が限界に直面する中で、先進国が一段の景気下降に見舞われた時、どのような対応策が残されているかだ。単なるお題目を超えて、財政国際協調や成長戦略の策定が、遠からずより切実な課題となる可能性は低くない。

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2017年9月28日
欧州経済・金融見通し ~ブレグジット交渉に行き詰る英国~

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。