世界経済
長期停滞の罠

2016年2月24日

サマリー

仮に自然利子率がマイナス圏にあるとすれば、中央銀行が名目金利をマイナスに引き下げる金融緩和策は妥当性を持つ。日銀のマイナス金利政策に対して市場の混乱を招いたとする批判はあるが、日本が長期停滞の罠から脱却するにはやはり大胆な政策が必要である。日本に先行してマイナス金利政策を実施したユーロ圏など欧州各国についても背景は同じだ。一方、米国の景気回復は利上げに耐えうるほど強いという見方は後退しており、企業部門の弱さが目立ち、期待インフレ率は低下しつつある。米国が金利を正常化し、次の景気後退に備えた十分な政策発動の余地を確保することが本来は望ましい。しかし、現実は逆の方向に傾き、米国も長期停滞の罠に陥りつつあるように見える。ガス欠気味の世界経済を立て直すには金融緩和のみでは力不足であり、主要国が協調した財政政策の発動が必要だが、実際には世界的不況が生じない限りその可能性は低いだろう。したがって、マイナス金利が米国に広がる可能性も含め、金融政策に依存する状況が続かざるを得ないことになるだろう。

レポートをダウンロードする

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

おすすめ関連レポート

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2016年7月7日
欧州経済・金融見通し ~英国は本当にEUを離脱するのか?~

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。