米国経済
雇用者数は7年ぶりに減少も、失業率は低下

2017年9月米雇用統計:ハリケーンがかく乱要因、強弱両極端な結果

2017年10月10日

  • ニューヨークリサーチセンター エコノミスト 橋本 政彦

サマリー

◆2017年9月の非農業部門雇用者数は前月差▲3.3万人と、2010年9月以来の減少に転じ、市場予想(Bloomberg調査:同+8.0万人)から大幅に下振れする結果となった。ハリケーン・ハービー、イルマによる被害が影響したとみられ、サービス業の雇用者数が大幅に減少した。

◆9月の失業率は前月から▲0.2%pt低下の4.2%となり(市場予想:4.4%)、2001年2月以来の低水準となった。事業所調査による非農業部門雇用者数が減少したにもかかわらず、家計調査による就業者数は大幅に増加し、失業率を押し下げた。失業者数に加えて、非労働力人口も前月から減少しており、失業者、非労働力者の双方の就業が進む、非常に良好な内容であったと言える。

◆9月の民間部門の平均時給は前月から12セント上昇、前月比+0.5%となり、市場予想(同+0.3%)を上回った。前年比変化率は+2.9%と、2016年12月につけた直近のピークと同程度まで伸びが加速しており、このところ伸び悩んできた賃金の再加速を期待させる結果となった。

◆非農業部門雇用者数の減少は、あくまでハリケーンによる一時的な影響によるものであり、被災地域の復旧に伴って悪影響は剥落していくことになろう。米国経済は一時的な要因を除けば底堅く推移しているとみられ、雇用者数は増加基調に復する公算が大きい。また、先行きに関しては被災地域での復興需要が顕在化することで、建設業などを中心に労働需要が押し上げられるとみられる。今回の雇用統計で再加速する兆しが見られた賃金上昇率は、労働需給のさらなるひっ迫によって、増勢を強めていくことになろう。

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