米国経済
米雇用増加幅が2ケタに戻り、過度な悲観は後退

7月の雇用統計:非農業雇用者数は11.7万人増、失業率は9.1%

2011年8月8日

ニューヨークリサーチセンター 近藤 智也

サマリー

◆7月の非農業雇用者数は前月差11.7万人増となり、5~6月の平均増加幅5.0万人から拡大し、3ヶ月ぶりに2ケタ台を回復した。注目される民間部門も15.4万人増と市場予想を上回り、2010年にみられた3ヶ月連続の一ケタ台を回避することができた。企業や家計の景況感が悪化するなど、足もとでは景気減速感が一段と強まり、先行きに対する悲観的な見方が浮上。今回の雇用統計の結果は、悲観論を払拭するほどのインパクトはないが、過度な悲観論を後退させる一材料に。

◆政府部門の減少が止まらない状況は変わらないが、民間部門の増加幅が生産やサービスの両セクターで前月よりも拡大。製造業や小売の増加幅が前月から倍増したほか、一旦落ち込んだ教育・健康サービスや専門・企業向けサービスの増加幅も回復している。また、雇用者数以外でも、賃金上昇率が2009年10月以来の高い伸びになるといったポジティブな材料もみられる。

◆一方、失業率は9.1%と4ヶ月ぶりに低下。一見すると雇用環境の改善を示しているようだが、労働参加率の低下、つまり労働市場からの退出によって失業率が低下している面が強い。仮に仕事を探して労働市場にとどまっていれば、前月同様に統計上の失業率は上昇していたことになる。

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