新興国経済
好対照のフィリピンとマレーシア

現地視察報告

2014年10月1日

  • 経済調査部 アジアリサーチ・ヘッド 児玉 卓

サマリー

◆Asia’s New Economic Tiger、或いはNew Rising Star。最近の成長パフォーマンスの改善を受け、フィリピンの官民のリーダー達はそう自賛するが、同国の高成長の持続性を疑わせる材料は少なくない。例えば出稼ぎ送金への依存度の高さは、政府の産業政策の不在と相俟って、同国の工業化、投資主導型成長の障害になっている。中国などにおいて工業化と高成長の担い手となった若くて豊富な労働力が、フィリピンにあっては宝の持ち腐れとなってしまっているのだ。

◆一方、「中所得国の罠」回避が課題とされるマレーシアは、相応の成長余地を残しているように見える。より所得水準が高く、産業構造の成熟化が進んでいるシンガポールとの一体化戦略には合理性がある。フィリピンと比較した同国の特徴は、何よりも経済成長に向けた政府のコミットメントの強さである。そして、マレーシアでは政治の安定が、成長への持続的なコミットメントを可能にした。フィリピンが必要としているのも、安定的な政権によるリーダーシップである。

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2016年7月7日
欧州経済・金融見通し ~英国は本当にEUを離脱するのか?~

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。