東南アジア経済
人民元を起点とした連鎖的な通貨安のリスク

下落しやすい通貨はタイバーツとベトナムドン?

2016年2月12日

サマリー

◆人民元の独歩安が進む場合、中国製品に自国製品がシェアを奪われる形でASEAN経済も悪影響を受ける公算が大きい。特に、タイとベトナムは中国と輸出品目の類似度が相対的に高いため、こうした悪影響が表面化し易いとみられる。

◆輸出以外では、中国の生産拠点をASEAN諸国等に移転させるいわゆる「チャイナ・プラスワン」の動きがスローダウンする可能性もある。この場合、チャイナ・プラスワンの候補として高く評価されるベトナムが経済的なダメージを受け易い。

◆これらの点を勘案すると、今後人民元の独歩安がある程度進行した際、ASEAN主要国ではタイとベトナムを中心に為替当局が経済への悪影響を防ぐべく、自国通貨を安値に誘導するケースが考えられる。ただ、今度はタイ・ベトナムなどと輸出品目が類似する国々が自国通貨を安値に誘導する事態が発生し得る。こうした人民元を起点とする各国通貨の連鎖的な下落が起きうる可能性には十分に注意を払う必要があろう。

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2016年7月7日
欧州経済・金融見通し ~英国は本当にEUを離脱するのか?~

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。