東南アジア経済
開放型の貿易・投資政策を柱とするアセアンの経済発展戦略と今後の課題

『大和総研調査季報』 2012年夏季号(Vol.7)掲載

サマリー

1990年以降の本格的な経済グローバル化の中で、アセアンは、おおむね順調な経済発展を遂げてきている。90年代初めの域内関税撤廃は、日本企業を中心としたアセアン域内の最適生産ネットワークの構築を促し、域内経済の効率化・活性化に寄与した。また、2000年半ば以降の、中国、韓国、日本、インド、オーストラリア・ニュージーランドとの二国間自由貿易協定の締結は、これらの国々との関係強化につながっている。

アセアンの対外政策は基本的には開放型で、海外のノウハウや技術を有効活用し成長へとつなげている。おおむね良好な経済状況にあるが、さらなる成長に向けては課題も多い。主なものとして、法制面での透明性・信頼性の確立、脆弱な金融システムの強化や未発達な金融市場の整備、域内経済格差の是正、省エネ対策、域内安全保障バランスの維持等を指摘できる。域内コネクティビティという考え方は、この課題に対して、ある程度の答えを出すと思われるが十分ではないだろう。

日本としても、アセアン地域への積極的な直接投資による生産ネットワークの構築・拡充への取り組みはもちろん、それに加えて、金融・制度面・人材育成など多面的なサポートに官民挙げて取り組むことが、今後ますます重要となるであろう。

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2016年7月7日
欧州経済・金融見通し ~英国は本当にEUを離脱するのか?~

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。