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あるべき上場株式等の相続評価に向けて

金融庁、上場株式等の相続税評価の見直しを要望

2016年10月20日

サマリー

◆2016年8月31日に、金融庁は「平成29年度税制改正要望項目」を公表した。金融庁は、上場株式等の相続税の扱いについて3点の要望を行っており、本稿ではこれらについて解説・分析する。

◆金融庁の1点目の要望は、相続時から納付期限までの価格変動リスクを考慮した評価額とすることであり、3点の要望のうち他の資産との評価の平仄を整える観点から最も重要な施策と考えられる。具体的には、プロテクティブ・プットを行うこととした場合のオプション料相当額を控除した評価額とすることが想定される。納税者にとって簡素で分かりやすい制度にする観点からは、平時においてはオプション料相当額を例えば10%などと固定し、危機発生時には別途定めることとするのが望ましいだろう。

◆金融庁の2点目の要望は、相続時から納付期限までの間に株価が著しく下落した場合の評価の特例を設けることである。金融庁は「著しく下落した」の基準を明示してはいないが、法人税における「減損」の基準や相続税の最高税率を勘案すると、50%程度以上の下落が生じている場合、何らか評価額の救済措置が設けられることが望ましい。

◆金融庁の3点目の要望は、上場株式等の物納順位について、第一順位(国債・地方債・不動産・船舶)の資産と同等となるよう、見直しを行うことである。納税者にとっては、上場株式等と不動産のどちらを物納にあてるか選択の自由度が増すこととなる一方、国としても物納財産を速やかに換金し税収にあてることができ、双方にとってメリットのある改正となることが考えられる。

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