新旧児童手当と子ども手当の比較分析

高所得世帯を除いて、新児童手当は旧児童手当とほぼ同水準

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2011年08月22日

サマリー

※本レポートは、執筆時点の情報をもとにしたレポートです。
その後、2012年3月に、新しい児童手当の枠組みが決まり、法改正が行われました。
2012年5月時点の最新情報をもとにしたレポートは「新旧児童手当、子ども手当と税制改正のQ&A」をご覧下さい。


◆現行の子ども手当については、2011年9月分(実際の支給は10月)までしか法律に裏付けられていなかった。2011年8月5日に、民主党・自民党・公明党の3党は、10月以降分の手当の枠組みについて合意し、「子どもに対する手当の制度のあり方について」(以下、「3党合意」)を発表した。これで、10月以降の手当の枠組みがほぼ決まったものといえる。

◆3党合意では、2011年10月分から2012年5月分は「特別措置の子ども手当」とし、支給額は原則月1万円(3歳未満または「第3子以降の小学生以下」は月1万5,000円)で、所得制限なしとした。2012年6月分以降は、「新児童手当」とし、支給額は「特別措置による子ども手当」と同じだが所得制限(年収960万円程度)が設けられる。所得制限世帯に対する税制・財政上の措置は2012年度税制改正に向けた検討課題となる。

◆旧児童手当と新児童手当の下での(税制を含めた)世帯手取り収入を比較してみると、旧児童手当が支給されていた世帯については、ほぼ変わらない(子ども1人につき年収±1万円程度)ケースが多い。旧児童手当の所得制限を少し超える程度の年収(年収900万円前後)の世帯は年収が増え、新児童手当が支給されない年収の世帯(年収1,000万円以上)は、何らかの税制・財政上の措置が採られないとすると、大幅な収入減となる。

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