会社法のすべて 証券・金融取引の法制度
独立取締役に何を期待するか?

~会社法と市場ルールの交錯の観点から~『大和総研調査季報』 2014年秋季号(Vol.16)掲載

サマリー

監査役会設置会社において、強力な権限を有する監査役と比較して、肩書のない純然たる「取締役」は、実のところ「取締役会」という合議体の単なる一構成員にすぎない。合議体の単なる一構成員にすぎない者の属性(独立性、社外性)が、どうしてコーポレート・ガバナンス上の重要な論点なのか? これが本稿の問題意識である。

「社外」取締役に期待される役割に関しては、一般に、経営に対する評価・監督や利益相反への対応が挙げられることが多い。特に、市場ルールとしての取引所規則が要求する「独立」取締役の場合、そうした役割を「一般株主の利益保護」という観点から果たすことが期待されている。

こうした期待に応えるためには、取締役会が監督機関として十分に機能する必要があるが、これには会社法の「株主総会中心主義」が一つのハードルとなり得る。これを克服するには、株主総会の機能の一部委任、監督と執行の分離、「独立」取締役によるキャスティングボートといった環境整備が求められる。特に、「独立」取締役が少数にとどまる場合、「独立」取締役が適切な判断を下すために必要な情報が提供されること、その活動内容が「投資者」「市場」から「見える」ようにすることが望まれる。


大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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