経済分析レポート
再延期?2017年消費増税に関する論点整理

消費税増税後の個人消費低迷の要因を探る

2016年3月31日

  • エコノミック・インテリジェンス・チーム エコノミスト 久後 翔太郎

サマリー

◆本稿では、2017年4月に予定される消費増税に関する論点を整理した。具体的には、1997年と2014年の増税時における個人消費の動きの違いを財・サービス別に分析し、その違いが生まれた要因を探ったうえで、2017年の増税時に起こりうる現象について考察する。

◆2014年増税後の個人消費の大きな特徴としては、①耐久財の回復力の弱さ、②サービス・非耐久財の下振れ、といった点が挙げられる。サービス・非耐久財の下振れは増税直後から観察された一方、耐久財の回復の弱さに関しては、増税後時間を経て顕在化している様子が見て取れる。

◆2017年4月の消費増税は、増税がない場合と比較して、実質GDPに対して、2016年度=+0.3%、2017年度=▲0.6%程度の影響を与えるとみている。消費増税は駆け込み需要およびその反動減、実質所得の減少という経路を通じて個人消費や住宅投資を大きく変動させるだけでなく、在庫投資や輸入の動向にも影響を与えることとなる。また、軽減税率導入による個人消費の下支え効果は約1.1兆円(2017年度)と試算される。

◆最後に、2017年に消費税率を引き上げる場合に、政府に求められる対応を検討する。具体的には、①増税後のエコポイント制度・エコカー補助金などの消費喚起策の実施、②低所得者向け給付等の強化、といったことが重要であると考える。

レポートをダウンロードする

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

書籍・刊行物

熊谷 亮丸 監修、大和総研 編著
この1冊でわかる 世界経済の新常識2018

私たちの日常生活には、「世界経済」に関するニュースがあふれています。「現状を理解するだけでも大変・・・」こうした悩みにお応えするため、本書では、米国や欧州、中国、日本の政治経済・金融政策に加え、日本の人材不足や地方創生といったテーマをわかりやすく解説しています。

熊谷亮丸、大和総研
トランプ政権で日本経済はこうなる(日経プレミアシリーズ)

「波乱はなし」と思われた米大統領選で、まさかのトランプ勝利!今後の米国・日本経済では何が起きるのか?トランプ勝利で不透明感の強まる米国の通商政策や金融規制、環境政策、日本経済の先行きについて、大和総研のエコノミストたちがやさしく、わかりやすく解説しています。2017年の経済情勢を見通すうえで必読の一冊です。