経済分析レポート
原油安の物価への影響と金融政策への示唆

“厳格な”インフレ目標がはらむ危険

2015年1月8日

  • エコノミック・インテリジェンス・チーム エコノミスト 久後 翔太郎

サマリー

◆本稿では原油価格の下落がコアCPIに与える影響を説明したうえで、原油価格の動向と金融政策の関係について考察した。原油価格は主にエネルギー価格を通じてコアCPIに影響を与えるが、エネルギー価格の内訳を細かく見ると、燃料費調整制度により原油価格の下落からややラグを伴ってコアCPIを押し下げる。また、原油価格の動向が金融政策運営に与える影響としては、下落した場合と上昇した場合の双方で、緩和的な金融政策が採られる可能性が示唆される。

◆原油価格とリンクした追加緩和は以下の2点において極めて危険である。第一に原油価格は極めてボラタイルであることから、このような指標に金融政策がリンクされているとの憶測が生まれると、先行きの金融緩和・引き締めの観測に不透明感が強まり、市場を不安定化させる要因となりかねない。第二に、日本銀行自身が認めるように、原油価格の下落は中長期的には実体経済にとってプラスの現象であるにも関わらず、金融緩和を行ったということは、将来的に実体経済を加熱させすぎる可能性をはらむ。このことは、将来的には一層強力な金融引き締めを必要とするため、実体経済をも不安定化させかねない。

レポートをダウンロードする

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2016年9月14日
労働市場から消えた25~44歳男性

2016年9月2日
なぜ地方は東京に追いつけないのか?

2016年8月25日
~第190回 日本経済予測~

書籍・刊行物

川村雄介(編)、道盛大志郎(編著)、大和総研(著)
明解 日本の財政入門

財政は全ての人々にとって、意外に身近な存在です。私たちが納めた税は何に使われ、なぜ負担が増えているのでしょうか。本書には、財政に関して知っておくべき知識が重要な38の項目に絞られています。消費税や財政赤字の問題、社会保障制度の課題などについて分かりやすく解説している本書を読めば、財政をより身近に感じられるようになるでしょう。

熊谷亮丸監修、大和総研編著
『リーダーになったら知っておきたい経済の読み方』

本書では、大和総研エコノミック・インテリジェンス・チームの選りすぐりのエコノミストが、経済指標の見方をはじめ、日本や世界経済の現状及び見通し等について、初心者の方でも理解しやすい平易な文章で、ポイントの押さえ方を解説しています。経済についてもっと詳しくなりたい方から、経済を一から学び直してみたい方まで、どんな方でも気軽に読める、面白くてためになる本を目指して執筆しました。是非ご一読ください。