経済・社会構造分析レポート
高齢化以上に増加する医療費

将来の医療費は医療の高度化や非効率への対応次第で大きく変わる

2016年10月24日

  • パブリック・ポリシー・チーム シニアエコノミスト 神田 慶司

サマリー

◆現行の制度や医療サービスの需給構造を維持した場合、2040年度の医療費は経済規模対比で現在の1.5倍近くに増加すると見込まれる。近年の医療費の伸びのうち、高齢化要因で説明できるのは半分程度にすぎない。高齢化以外に要因による医療費の増加を抑えることができれば、将来の医療費の姿は大きく変わる。

◆医療費が高齢化を上回るペースで増加する原因として、技術進歩による単価上昇や医療サービスの非効率性などが指摘されている。だが、これまで詳細な分析は行われてこなかった。安倍内閣が進める経済・財政一体改革ではその実態を明らかにし、効果的な施策を検討しようとしている。

◆厚生労働省が最近公表した分析によると、高齢化以外の要因による医療費の増加に最も寄与したのは調剤であり、特に薬剤料が押し上げている。今後本格導入のための検討が進められる薬価の費用対効果評価の対象を一部の高額薬剤や高額機器だけでなく、それ以外にも積極的に広げることや、薬価改定の頻度の見直し、機能する「かかりつけ薬局」制度の普及と調剤技術料の見直しなどが求められよう。

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