経済・社会構造分析レポート
最近の年金制度改革と今後の課題

『大和総研調査季報』 2016年7月夏季号(Vol.23)掲載

サマリー

老後の生活に強い不安を抱える家計はかなり多い。その背後には、現在の年金制度が経済社会の変化に対応していないことがある。将来の公的年金は当初の想定よりも引き下げられる可能性が高まっており、就業形態や勤め先企業が引退後の所得に与える影響も大きくなっている。

2016年に入り、年金制度改革に進展が見られた。3月には年金改定ルールの見直しを含む公的年金改革関連法案が国会へ提出され、5月には企業年金の普及・拡大や個人型確定拠出年金(DC)の加入対象者拡大などが盛り込まれた改正DC法が成立した。企業負担が大幅に軽減されるリスク分担型確定給付年金は2016年度に導入される予定である。

家計の将来不安を和らげる観点からは、マクロ経済スライドの実施条件をなくし、短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大を着実に進める必要がある。企業年金の普及・拡大には企業の自主性が不可欠であり、インセンティブ設計がカギだろう。所得水準の低い就業者が主体的に個人型DCへ加入する環境整備も重要課題である。仕組みを周知するとともに、個人型DCへ最も加入すべき人々が利用しやすい制度とする工夫が求められる。


大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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