経済・社会構造分析レポート
日本の労働市場の課題

~成長戦略を妨げる人手・人材不足~『大和総研調査季報』 2014年夏季号(Vol.15)掲載

サマリー

足元の日本の雇用環境は、新卒市場をはじめとして広範囲に改善傾向が見られ、1990年代初めのバブル期以来の高水準というものも散見される。ただ、過去10年間を振り返ってみると、男性の失業率は下方バイアスが働いているにもかかわらず、一貫して女性を上回っており、男性を取り巻く環境は見た目以上に厳しかったといえよう。

景気回復を受けて人手不足が幅広い業種で指摘されており、一部では業務拡大の妨げにもなっている。一段の少子高齢化が予想される日本では、労働投入量の制約が長期にわたって経済成長の下押し要因になってしまうと見込まれている。

政府は成長戦略のポイントの一つに雇用制度改革・人材力の強化を謳っており、新たな担い手として、女性の活躍推進や外国人材の活用に期待している。ただ、いずれも長い目でみると貴重な成長の資源となるだろうが、足元の人手不足を解消するには即効性がない。女性の活躍の陰に隠れてしまった感のある(若者・高齢者を含めた)男性にも再注目すべきだろう。


大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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