経済・社会構造分析レポート
法人税率引下げの財源問題

財政健全化目標との両立を図った法人税率引下げが必要

2014年7月25日

  • パブリック・ポリシー・チーム エコノミスト 神田 慶司
  • 主席研究員(パブリックポリシーリサーチ担当) 鈴木 準

サマリー

◆本レポートシリーズNo.1~3では、法人税率引下げが経済に与えるプラスの影響を試算した。一点、懸念しなければならないのは、経済への好影響を考慮したとしても、減税による財政収支の悪化分をトレンドとして構造的・持続的に埋め合わせることはできない可能性が高いということである。本レポートでは、法人税減税について財政健全化とのバランスについて考えたい。

◆法人税率引下げの財源として、すでに実現している、あるいは見込まれる税収の上振れ分を充てる考え方もあるだろう。しかし、それは不確実な財源であり、ペイアズユーゴー原則を破るものといわざるを得ない。依然として財政健全化の見通しが立たない現状を踏まえると、上振れ分は財政健全化の財源に充てるのが先だろう。歳出削減はもちろんのこと、税体系を幅広く見直して財源を確保することが法人税率引下げの基本とされるべきである。

◆ある程度の大きさの税率引下げを行おうとすれば、財源を法人税制の枠外に求める必要もあるかもしれない。例えば、消費税率の引上げによって財政収支悪化の回避を見込める試算を行うと、消費税率を2%ptほど引き上げる必要がある。法人税率の引下げと消費税率の引上げという組み合わせで国民経済が改善する可能性についてさらに検討されてもよいのではないか。

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