経済・社会構造分析レポート
米国金融政策の変化が世界経済に与えるもの

『大和総研調査季報』 2013年秋季号(Vol.12)掲載

サマリー

米国連邦準備理事会(FRB)はゼロ金利制約に直面して以来、量的緩和とフォワードガイダンスにより金融緩和を継続してきた。しかしバーナンキ議長が量的緩和の規模を縮小し、終了する可能性に言及して以来、この効果は剥落に向かっている。

米国金融政策の変調は、国際的な流動性供給の縮小や、国際的裁定を通じた要求収益率の上昇を通じて世界経済に大きな影響をもたらし得る。この懸念が金融市場の「リスクオン」ムードを「リスクオフ」に転換させた結果、リスク資産の価格低下を招いてきた。

この点に鑑みると、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)の決定は市場の懸念を後退させるものだったと評価できる。緩和の継続が維持されたことそのものよりも、景気への配慮や長期金利の急速な上昇に対する懸念が緩和継続の理由として示されたことが、市場の懸念を後退させる効果を持つためである。

無論、遠からぬ先に米国の金融政策の転換が見込まれる以上、米国の長期金利はいずれ再び上昇に転じる可能性が高いし、金融政策の緩和スタンスをFRBが継続するかは引き続き注視しておく必要がある。米国の金融政策は今後も世界経済および金融市場に決定的な影響を及ぼし続けていくだろう。


大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

レポートをダウンロードする

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

おすすめ関連レポート

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。



ダイワインターネットTV

2016年9月14日
労働市場から消えた25~44歳男性

2016年9月2日
なぜ地方は東京に追いつけないのか?

2016年8月25日
~第190回 日本経済予測~

2016年7月20日
女性の雇用環境と女性活躍推進法

書籍・刊行物

熊谷亮丸監修、大和総研編著
『リーダーになったら知っておきたい経済の読み方』

本書では、大和総研エコノミック・インテリジェンス・チームの選りすぐりのエコノミストが、経済指標の見方をはじめ、日本や世界経済の現状及び見通し等について、初心者の方でも理解しやすい平易な文章で、ポイントの押さえ方を解説しています。経済についてもっと詳しくなりたい方から、経済を一から学び直してみたい方まで、どんな方でも気軽に読める、面白くてためになる本を目指して執筆しました。是非ご一読ください。

鈴木 準(調査提言企画室長)著
『社会保障と税の一体改革をよむ』

「社会保障と税の一体改革」による改正事項の網羅的な解説と考察を行っています。この分野に関心をお持ちの多くの方々にお読みいただけるよう、分かりやすく記述しています。基本的な改正内容だけでなく背景にある考え方と問題点について、幅広く議論しています。

熊谷 亮丸 著
『消費税が日本を救う』

消費税率引き上げによって、財政危機・年金不安を解消し、日本経済再生への足がかりとする。 現在、最大の関心事となりつつある「消費税」について多面的に考察、日本復活への処方箋をご紹介します。