経済・社会構造分析レポート
大胆さと慎重さが求められる日銀

~政府にも求められる「次元の違う政策」~『大和総研調査季報』 2013年春季号(Vol.10)掲載

2013年6月3日

サマリー

日銀はインフレ・ターゲットを導入したものの、金融政策の枠組み自体が変わったわけではない。物価目標の設定はゴールではなく、政府と日銀がその実現のためにどう行動するかが問題である。

デフレの構造的な要因を長期的に物価の趨勢を決める単位労働コストの背景から整理すると、デフレ脱却には金融緩和のもとで企業の収益基盤を強化しつつ、企業の再生や再雇用が円滑に行われるセーフティネットを構築することが重要である。

金融緩和は不可欠であるが、大胆な金融緩和には副作用があり、政府が財政健全化の見通しを立てていない中で積極的な金融緩和を行うリスクは決して小さくない。メリットとデメリットを慎重に判断しつつ大胆に緩和するという難しい舵取りが求められる。政策運営面では、CPIだけでなく家計最終消費支出デフレーターも採用することを提案したい。

円安が長期間続いたとしても物価が上昇するまでにはかなりの時間を要する。また、円安から円高方向へ反転すれば、景気の振幅が高まってインフレ目標の達成時期がむしろ遠ざかる可能性がある。


大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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