オバマ政権の発電所へのCO₂排出規制の行方

石炭火力への影響はどのように想定されているのか?

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2015年09月25日

サマリー

◆オバマ政権の気候変動対策は、金融危機後長らく進展が見られなかったが、今年末のCOP21および来年の任期終了前に、再び動き出している。


◆オバマ大統領は2013年に「大統領気候行動計画」を発表し、米国の温室効果ガス排出量の約3割を占める発電部門のCO₂に対する排出規制の導入を目指してきた。


◆2014年に環境保護局はCO₂排出規制の原案を公表し、今年8月に最終規則を公表した。同規制により発電部門のCO₂排出量を2030年に2005年比32%削減することを目指す。


◆同規制は州政府に発電部門のCO₂排出削減を求めるもので、特に米国が主要な電源としてきた石炭火力発電には大きな影響が予想されている。


◆既に、石炭産出州など15州が今回の規制に関して環境保護局を提訴する構えを見せている模様である。


◆規制の行方は州政府、司法の判断とともに、ポストオバマ政権の動向にも左右される可能性がある。


◆ただし、このような石炭火力の発電量の構成比は厳しい規制が実施されても、環境保護局もエネルギー情報局も、依然、2030年の石炭火力の比率は25%程度と予想している。


◆環境政策と同時に、将来のエネルギー価格および政策の不確実性を考慮し、国内のエネルギー産業を活かしたエネルギー・ポートフォリオの多様化も政策に組み込んでいるところにも注目すべきであろう。

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