世界経済・政治研究所
2013年4月 「2013年第1四半期のGDP成長率の短評」

2013年6月18日

  • 徐奇淵

サマリー

中国の2013年第1四半期の実質GDP成長率は前年同期比7.7%となり、我々CEEM(中国社会科学院 世界経済・政治研究所 世界経済予測と政策シミュレーション実験室)の予測値を0.2%ポイント下回った。(市場予想からは0.3%ポイント下回った。)

我々が4月10日に公表した第1四半期報告「中国経済:内需の衰退は2013年における経済成長の足かせか」の中で、中国のマクロ経済は既に内需不振であると指摘した。重点商品の輸入ペースが目に見えて落ち込んでいるほか、固定資産投資にも減速が見られる。後者について、(1)固定資産投資自体の季節調整済み前期比で見た成長率、(2)インフラ投資以外の投資の成長率、(3)(2)の中でも製造業向け投資の成長率、全てに需要の後退が表れており、特に民間主導の投資が減速している。投資が落ち込んでいる原因は三つある。金融の引き締め、輸出と国内消費に存在する多くの不確定要素、引き続き高い状態にある企業の負債比率、である。

2012年第4四半期の実質GDP成長率は前年同期比7.9%に回復し、前期比では2.0%であった。しかし我々は2012年の年末に公表した第4四半期報告「中国経済:経済回復はまだ持続可能な軌道に乗っていない」の中で、もし経済刺激策がなければ、第4四半期の成長率は、前年同期比では第3四半期とほぼ同じ7.5%へ下方修正され、前期比では第2、第3四半期よりも鈍化して1.79%(年率7.35%)になると指摘した。つまり経済回復はいまだに短期の経済刺激策に依存しており、持続可能な軌道に乗っていないのである。

第1四半期報告の中で挙げた三つの政策提言は以下の通りである。(1)シャドーバンキングの管理を徹底し、金融市場の整備・改善と金利の市場化を加速する必要がある(2)貸付を拡大させる経済刺激策のさらなる使用を避ける(3)財政政策は減税政策を採用し、構造調整を目的として支出する。こうして産業構造を改善させると同時に、短期的にもマクロ経済を安定させることが可能となる。

このほか、2012年第4四半期報告で次のように分析している。現在製造業は生産能力が過剰である反面、サービス業は供給不足である。しかも工業の「資本集約型、貿易財」という特徴とサービス業の「労働集約型、非貿易財」といった特徴は、既に中国の国際収支バランスや生産要素である資本・労働間の所得分配に対して大きな影響を与えている。そこで、生産性の高いサービス業である教育、医療、金融産業などの発展を促進していくべきである。このように、供給不足のために投資収益率が高いサービス業を発展させることで、短期的には資本の収益率を高めて投資全体を安定させるほか、インフラ投資のペースを抑制し、不動産投資も減少させる。長期的には、サービス業の供給能力を高めることで、国民のサービス消費に対する需要を満たしていく。それらによって国民生活や国際収支バランスを改善させ、さらには所得分配の改善につなげることが可能となる。


※掲載レポートは中国語原本レポートにおけるサマリー部分の和訳です。

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