国際会計基準導入に関するアンケート調査

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2009年10月02日

大和総研制度調査部は、大和インベスター・リレーションズ株式会社の協力を得て、「国際会計基準に関するアンケート調査」を実施した。


財務諸表作成者(経理・IR担当等)75、アナリストやファンドマネジャー等の財務諸表利用者からは151の回答を得た。作成者の95%は一般事業会社である。

国際会計基準の導入について

  • 作成者の77%(適用対象を狭めた上で適用は36%)、利用者の81%(適用対象を広げて適用は30%)が国際会計基準の強制適用に賛成しており、導入時期(2015年又は16年)については利用者の42%が遅すぎると回答した。作成者は58%が段階的導入(最長3年)、利用者は54%が一斉適用を支持した。導入準備はあまり進んでいないことがわかった。
  • 強制適用の際の個別財務諸表の取り扱いについては、作成者は廃止・簡素化を支持する回答、利用者は現状のまま存続、連結財務諸表での開示充実を支持する回答が強かった。
  • 作成者の77%、利用者の63%がIASBの日本支部設立が必要であると回答した。

利益に対する考え方

  • 「包括利益」は「当期純利益」を補完する指標として活用されるとの回答が作成者42%、利用者43%と最も多かったが、利用者では当期純利益と同程度に利用されるとの回答も31%を占めた。
  • 国際会計基準では、企業が指定した株式(持ち合い株式・政策投資株式を想定)の売却損益・減損・配当を当期純利益から除外すること、退職給付債務の積立不足の変動額の即時費用(損益)計上することを検討している。作成者の回答の58%、利用者の回答の52%は、前者については賛成・後者については反対という回答であった。即ち、本業以外の要因を当期純利益から除外することを支持する意見が多かった。
  • 上記調査結果の全文は、ダイワマーケットブリティン2009年秋季号Vol.22(2009.10.26発売予定)に掲載される。