第161回日本経済予測(要約版)

RSS

2009年05月25日

(1) 追加経済対策の効果等を勘案し、成長率見通しを上方修正:2009年1-3月期GDP一次速報の発表を受け、09年度、10年度の成長率見通しを改訂した。2009年4月に策定された追加経済対策による景気押上げ効果等を勘案し、成長率見通しの上方修正を行なった。改訂後の実質GDP予想は09年度が前年比▲3.8%(前回▲4.5%)、10年度が同+0.5%(同+0.4%)となっている。わが国の実質GDP成長率(前期比ベース)は2009年4-6月期にプラスに転換した後、2009年下期以降、公共投資による下支え効果が見込まれること等もあり、2009年一杯プラス成長が続く見通しである。しかし、日本経済が本格的な回復局面に入ったとの評価は時期尚早である。わが国の経済対策や、中国経済の底入れは日本経済拡大のメインエンジンにはなり得ないことから、日本経済の本格的な回復は、米国で住宅価格が下げ止まる2010年度後半以降にずれ込むものと予想される。本レポートでは、以下の3つの論点に沿って、今後の日本経済の動向を多面的に検証した。