【提言】 住宅金融公庫の貸付債権(既往債権)証券化

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2004年12月03日

~MBS市場の持続的拡大と市場整備の実現に向けて~

  1. MBS市場の発展は良質な住宅ローン供給の源泉
    • 超長期固定金利住宅ローンはMBS市場の発展とともにある
    • 既往債権の証券化が、MBS市場の拡大につながると期待される
  2. 既往債権証券化によるMBS市場拡大のメリット
    市場拡大の効果
    • 収益機会の増大による投資額増加と新規参入の促進
    • 市場拡大のアナウンスメント効果が、未着手の課題解決を通じて市場整備の進展を促進
    超長期固定金利住宅ローンの供給拡大
    • 公庫の「証券化支援事業」と民間金融機関の証券化が複合的な市場を形成して発展
  3. MBS市場発展のための課題
    • 公庫MBSの商品性ゆえに、投資家の投資体制整備及び市場のインフラ整備が肝要
    • 短期間での大量の証券化は、却って公庫の証券化支援事業の発展を阻害するリスクがある
    • 市場拡大と市場整備は並行して行われるべき
    • 市場拡大の「時間軸」を十分考慮することが重要
  4. MBS市場の段階的な拡大を提言する
    発行計画の提示(アナウンスメント効果)
    • 発行計画の提示により、市場拡大の「行程表(Road Map)」を明確にする
    既往債権の証券化は証券化支援事業の段階的拡大のための「滑走路」
    • 既往債権の証券化は一気に行うのではなく、5~6年かけて持続的に拡大させる
    • その間に「証券化支援事業」による証券化が段階的に拡大し、市場のボリュームを確保していく
    • 既往債権証券化の持続的拡大の青写真を示すことで、投資体制や市場の整備を促す市場拡大をサポートする市場環境の整備
    • 価格評価法、会計手法等MBS市場の整備に向けた市場参加者のコンセンサスの確立
    • 法制面・税制面の制度整備により、公庫MBSの再証券化(リパッケージ)を容易にする
    • 年限の短い公庫MBS発行により多様な投資家層への拡大を図る
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