大和総研
日銀・機構が買い取った株式の処分のあり方 持ち合いの終焉と株式市場の新世紀

2004年6月29日

大和総研資本市場調査本部は、有価証券明細表などのデータをベースに集計を行い、株式持ち合いの現状分析を行った。

持ち合いは資本の空洞化である。財閥解体で始まった終戦後の経済が、資本不足を糊塗するため安易に持ち合いに走った事が、戦後日本経済の悲劇であった。わが国の持ち合いは大きく四つの時期に分けられる。形成期、伸長期、絶頂期、解消期である。それぞれの期の特徴を分析して持ち合いという「市場の失敗」が、「資本の空洞化」による非持合株主の権利の希薄化を追求した結果、市場に蔓延したことを明らかにする。かつ最終的には日本銀行(という一種の公的な資金)による銀行保有株式の取得によって、ようやく解消期も終盤に入り、終焉期と言ってよい段階に入ったことを明らかにする。
ポスト持ち合い時代は、個人投資家の時代でなければならない。持ち合いという失敗を繰り返さないためには、事業法人・金融法人が大規模な株主層となる事があってはならない。そのためには、日銀及び銀行等保有株式取得機構が買い貯めた株式の処分に、万遺漏無きを帰する必要がある。昭和40年不況後、日本共同証券・日本証券保有組合が安易に、グループ企業への証券売却に応じた事が持ち合いを大きく伸張させる一因となった。保有株式の処分は原則として公募売り出し、発行会社の自己株取得のいずれかで行うべきであろう。年金基金・公募投資信託ならば要求に応じて売却してよい場合があるだろうが、資本関係などを通じて実質的な持ち合いにならぬよう、十分に気をつける必要がある。

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