コモディティ価格の高騰はいつまで続く?

2008年4月28日

  • 投資戦略部 山田雪乃
3月の米利下げを背景にした流動性の増加により、原油は4月22日に120ドル目前まで上昇し、CRB指数も史上最高値を更新した。ただし、コモディティならば何でも上昇するという局面はすでに終了し、選別色が強い相場展開となっている。

今や、コモディティは金融商品と化している。世界景気の鈍化見通しは強まっているが、欧米の金融政策が市場に与える影響を考慮しつつ、今後のコモディティ市場を想定しなければならないだろう。その点から見れば、米国の利下げが最終局面に入りつつあることの影響は大きい。07年夏場以降、米利下げを背景にした流動性の増加が、コモディティの上昇相場の形成に重要な役割を担ってきたためである。

今後、米利下げ打ち止め感が出てくるまでは、米利下げと米ドル安を背景に、引き続きコモディティ投資の選好が続くだろう。しかし、利下げ一辺倒の思惑が続いた局面から、利下げ打ち止め観測が台頭する局面へシフトしつつあり、コモディティ市場の調整局面入りが近づいている。米利下げ打ち止め感が強まるにつれて、コモディティ間の選別色はより一層深まるだろう。以前にも増して、原油など特定のコモディティへの資金流入が加速する一方、世界景気減速の影響が大きく出やすい非鉄金属などからは、逆に資金が流出する可能性が高まっている。

ただし、米金融政策の変更による市場へのインパクトは、過去の相場とは異なって出てくる可能性も高い。中長期的には、株式のような伝統的な投資対象よりも、コモディティ投資の選好が高い状態が続き、株価反発局面でもコモディティ投資への意欲は後退しないだろう。たとえ米国経済の回復期待が高まったとしても、米国の低成長が続く中では、米国株の割安感の解消を通じた株価の大幅反発には繋がらないかもしれない。また、先進国の中央銀行がインフレ退治に躍起になったとしても、その一方で、投資家が中国など新興国での需給逼迫を見込んで、株式投資よりもコモディティ投資の妙味が大きいと判断するかもしれない。

コモディティ価格は、実物の需給面だけから見れば、すでに説明不可能な水準へ上昇しているように見えるが、今後、幾つかの調整相場を経て、中長期的には強含みで推移するだろう。米利下げ打ち止めをきっかけとする調整は、この長期上昇相場の形成にとって必要なスピード調整となるだろう。

図:コモディティの騰落率
(出所)各種資料よりDIR作成
(注)07年8月16日は、コモディティ価格が全般的に安値をつけ、株式市場も底打ちした日。08年3月13日は、CRB指数が史上最高値をつけた日(コモディティごとに高値更新日が異なる為、CRBの高値更新日で代用)

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