北米売上高比率と株式パフォーマンス

2008年1月16日

  • 投資戦略部 飯田尚宏
為替相場の変動が株価パフォーマンスに影響

2007年年央以降、米国サブプライム問題に端を発した信用収縮懸念が高まった。円キャリー取引の巻き戻しが顕在化し、為替相場では8月以降、急速な円高が進行した。その後、米国の利下げや各国中央銀行による流動性供給が行われた。こうした信用収縮を解消するための政策がある程度効果を発揮し、サブプライム問題への不安は一時的に後退した。急速な円高は回避されたものの、依然として信用収縮と米国経済の悪化に対する懸念は根強い。少なくとも08年前半は米国の利下げは継続すると予想され、日米金利差は一段と縮小する方向にある。そのため、再び円高ドル安が進行する可能性があろう。

こうした為替相場の変動は輸出企業の業績に影響を与える。特に円ドル相場の変動は北米地域での売上高が大きい企業にとってはリスクとなるであろう。そこで、企業の連結売上高に占める北米地域の売上高比率をとらえ、その比率の水準別にグルーピングした企業グループに関して、株式パフォーマンスと為替変動との連動性を検証した。

北米売上高比率の上位銘柄は円安局面で好パフォーマンス

下のグラフは、3月期決算の東証1部上場企業を対象とし、北米地域の売上高比率の水準別に3グループに分け、その比率が最も高いグループと最も低いグループのパフォーマンスと、円ドルレートの推移を見たものだ。折れ線が上昇している局面では、他のグループと比較し好パフォーマンスであることを表す。

北米売上高比率上位は06年以降上昇している。足元の国内景気で内需が停滞する一方、外需のけん引が大きかったことが背景にあろう。そして、円ドルの折れ線が上昇(円安に推移)したことも背後にある。北米売上高比率上位のパフォーマンスと円ドルの相関係数は0.262とプラスであった。これは、円安局面で好パフォーマンスであったことを意味する。反対に北米売上高比率下位のパフォーマンスと円ドルではマイナス0.217と負の相関となった。

特に海外売上高比率の高い企業ほど、業績が為替と連動しやすい傾向が読み取れる。当然、海外売上高比率だけで株価のパフォーマンスが決まるわけではないが、これらの企業は、円安局面では収益の押し上げ効果とともに株価にもプラスの寄与が期待できよう。

北米地域売上高比率水準別のパフォーマンスと円/ドルの推移
(注)
・分析対象は、東証1部上場の3月期決算企業で、かつ有価証券報告書(セグメント情報)の海外売上高から、北米地域での売上高が算出可能な企業としている

・北米売上高比率は毎年8月に更新、1年間グループは固定

・株式パフォーマンスは、全対象企業のリターン平均に対する、各グループの超過リターンの平均とした。グラフはその超過リターンを月次で累積したもの

(出所)日経、東洋経済等のデータを基に大和総研作成

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