持株会社形態の会社

2006年10月11日

  • 制度調査部 堀内勇世
四季報などを眺めていると、「○○ホールディングス」、「○○グループ本社」など、持株会社の形態をとっていることをうかがわせる名前の会社がめだってきた。このような状況を見ていると、1997年の独占禁止法改正による「持株会社解禁」(施行は12月17日)が懐かしくなってくる。この「持株会社解禁」以後、会社法分野で「株式交換・株式移転」や「会社分割」という、持株会社を作る際に便利な仕組みが作られるなどの制度整備がすすんだ。その結果が現在の情況に影響を与えているのだろう。

ところで、「持株会社」とは何であろうか。この定義を探すと、独占禁止法に持株会社の定義が存在する。独占禁止法では、持株会社とは、子会社の株式の取得価額の合計額の当該会社の総資産額に対する割合が50%を超える会社と定義されている(ここでいう子会社の定義は法参照のこと)。

「○○ホールディングス」、「○○グループ本社」という会社がすべて、この持株会社かというと、そうではないと推測している。というのも、独占禁止法では、持株会社及びその子会社の総資産合計額が6000億円を超える場合に報告等を義務付けており、その報告数などを公正取引委員会が毎年公表しているものを見ると、昨年度でも30社強に過ぎないからである。総資産合計額が6000億円を超えていないから数に入っていない会社もあるだろうが、それを顧慮しても、「○○ホールディングス」、「○○グループ本社」という会社がすべてこの独占禁止法上の持株会社とは考えにくい。一般には、「持株会社」という語を、もっと広い意味で用いているのであろう。例えば、「株式を所有することにより他の会社の事業活動を支配・管理する会社」と言ったような意味で使っているのであろう。

このように、持株会社という言葉の定義が大雑把なので、持株会社といっても、構造、組織、ましてや経営は一様ではないであろう。また、持株会社の場合、重要な事業は子会社で行われていることも多いであろう。となれば、持株会社が上場会社となっている場合、その持株会社及びグループについて十分な開示をしなければ、株主、投資家には、わからない会社となってしまう可能性がある。十分な開示を心がけるとともに、開示の仕方などにも工夫を重ねていくことが必要であろう。

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