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役員退職慰労金の廃止と増加する株式報酬型ストック・オプションの導入

かつては役員の退職給付といえば、(現金給付である)役員退職慰労金が一般的でしたが、現在では役員退職慰労金制度があるのは上場企業の約3割と少数派であり、残りの7割は慰労金制度を廃止したか元々ない企業となっています。この背景には、固定的・年功的な役員退職慰労金への株主等からの批判があります。このような状況下、役員に対する株式報酬型ストック・オプションの導入件数は堅調に推移しています。

株式報酬型ストック・オプションとは

株式報酬型ストック・オプションとは、株式を報酬として受け取ることを目的とし、オプションの権利行使価額を低く(通常は1円)設定して、実質的に株式と同等の価値を付与対象者に与えるスキームです。

株式報酬型ストック・オプションのスキームイメージ

株式報酬型ストック・オプションのスキームイメージ

例えば上図の場合、付与対象者である役員が受け取る経済的利益は、権利行使時の株価と1円の差額(=199円)となります。ただし、付与日の株価である100円から1円を控除した部分(=99円)は役務の提供に基づく報酬債権と相殺されるため、実質的な利益は付与日から権利行使日までの株価の上昇分と一致します。

株式報酬型ストック・オプションは、付与対象者である役員にとって『業績向上⇒企業価値の向上⇒株価の上昇⇒売却益増』といった好循環に対するインセンティブとして有効な制度となり得ます。

役員退職慰労金廃止後の役員報酬制度

役員退職慰労金廃止後の役員報酬制度を「報酬を貰う側である(業務執行)役員」と「支払う側の株主」の両方の観点から比較すると次のようになります。

役員退職慰労金廃止後の役員報酬制度の比較

  役員 株主 解説
①単純廃止 × △×
  • 役員報酬の減少
  • 株主キャッシュアウトは減るが、役員が業績向上に対する意欲を損なう可能性あり
②基本報酬等に現金で上乗せ ×
  • 役員給与所得課税となるため退職所得に比べ税務上不利
  • 株主固定報酬という退職慰労金のデメリットが解消されない
③基本報酬等に上乗せした現金で自社株を取得 ○△
  • 役員給与所得課税となるため退職所得に比べ税務上不利
  • 株主株価に連動する報酬という点で好ましい。ただし、役員にとって税務上不利なことから役員の手取り額が少なくなるため、④と比較してインセンティブ付与の効果が弱い
④株式報酬型ストック・オプション
  • 役員設計次第で退職所得となるため③に比べ税務上有利
  • 株主株価に連動する報酬という点で好ましい

株式報酬型ストック・オプションは、制度設計により退職所得課税になる可能性があります。その場合、役員に対しては税務上有利な制度であり、株主に対しても株価上昇のインセンティブを付与できるという点から、双方にとってメリットの多い制度であるため、役員退職慰労金の代替制度として株式報酬型ストック・オプションが選好されています。

また、最近では役員退職慰労金を一旦廃止して、数年経ってから株式報酬型ストック・オプションを導入する事例も散見されます。

株式報酬型ストック・オプション導入時のポイント

株式報酬型ストック・オプションの導入において考慮すべき、いくつかのポイントがあります。

株式報酬型ストック・オプション導入時のポイント

①報酬制度全体のバランスを考慮した制度設計
株式報酬型ストック・オプションにより受け取る報酬は、株価に連動することから、場合によっては役員が受け取る報酬額が目減りするため、他の報酬制度と組み合わせるなど報酬制度全体のバランスを考慮することが求められます。関係者間の合意をもとに株式報酬型ストック・オプションへの移行割合や付与対象者を決定し、かつインセンティブとして最大限の効果を得られるような設計にしておくことが重要となります。

②税務上の取扱い
税務上の取扱いについて、所得税法上で退職所得と認定されるためには、ストック・オプションの権利行使による収入が退職に起因して支払われるものである必要があります。このため、権利行使を退任後の一定期間に限定するなど制度設計上の工夫が求められます。

③効率的な必要書類の準備
株式報酬型ストック・オプションは、会社法や金融商品取引法など複数の法令に基づき、必要な書類を揃える必要があります。必要書類は多岐に渡ることから、効率的に必要書類を作成し、かつ制度設計の内容を正確に反映させることが求められます。

株式報酬型ストック・オプション導入までのスケジュール

株式報酬型ストック・オプションの導入においては、株主総会にて発行枠(金額、個数)の承認を得る必要があるため、株主総会をターゲットとして準備を進める必要があります。6月に株主総会を開き、7月に割当を行う会社を例とすると次のようなスケジュールとなります。

ストック・オプション導入までのスケジュールイメージ(6月株主総会、7月割当のケース)

ストック・オプション導入までのスケジュールイメージ(6月株主総会、7月割当のケース)

前述の通り、ポイントを押さえた制度設計を行い、必要書類を準備するためには、多くの労力と時間を要することが想定されます。

大和総研では、数多くの導入支援実績に裏付けされたノウハウをもとに、より実効的かつ効率的に貴社の株式報酬型ストック・オプション導入を支援いたします。

大和総研のコンサルティングの特長

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