菅野沙織クリック!アジア

第1回 インドネシアは、次の「中国」になることに期待を込めて

2010年4月8日

ASEANメンバーの国旗
(ジャカルタASEAN事務局)

3月中旬のジャカルタは、日本の夏の北海道のように涼しい。昨夜に降った雨の後の空模様を眺める気分も爽快。今回のジャカルタ出張は、私が昨年アジア事業調査室でインドネシア担当になってから、2回目です。プライベートの年末年始のバリ島のバカンスを入れると、今回のインドネシア訪問は3回目になる。

仕事で行くと、出張期間二日~三日程度ですが、年末のプライベートなバリ島への旅行では少し長めに、1週間の滞在期間を取りました。その理由の一つは、インドネシア語は世界一易しい言語だと、インドネシア人と、長くインドネシアに暮らしているロシア人の友達に言われ、1週間あれば少しでも覚えられるかもしれないと思ったからです。

インドネシアは、これまで訪れてきたほとんどの国と同じように、行く前に勝手に持ったイメージとだいぶ違うところでした。この数年間、安定した経済成長を遂げてきたインドネシアは、「発展途上」という少し時代遅れに感じるイメージよりは、ダイナミックな発展を連想させる「新興国」の名が似合うような気がしました。


インドネシア経済へはリーマンショックの影響が軽微

ジャカルタのASEAN事務局にて 先進国が顔負けのジャカルタの
シッピングモールにて

輸出に大きく依存していないことや、1997年のアジア通貨危機の教訓の一つとして、対外債務を減らしてきたインドネシアは、金融市場の発展が先進国よりおくれ、証券化商品のような金融商品の市場を持つことがなかった。それが金融危機の影響を和らげたファクターです。そして、インドネシアは、グローバル金融危機において比較的軽傷で済んだため、重傷を負って経済回復への道を歩む先進国から注目を集め始めました。
今回の危機が貿易のルートを辿ってやってきたことを考えると、タイのように経済における貿易比重の高い国と比べて、輸出への依存度の低いインドネシアは「ラッキー」です。しかし、裏を返せばこの「ラッキー」は、貿易拡大に大きな支障である輸送コストの高さや手続きの非効率性などの証でもあるとインドネシア人のエコノミストが指摘しています。このような非効率性の是正はインドネシアの持続可能な経済発展を実現させるための重要な課題です。とはいうものの、3月に発表されたバンク・インドネシア予測では、2010年経済成長率は5.6%になります。この前向きな数字は、2億4千万人の巨大な潜在力を有している消費市場、および天然ガスや森林の資源力を反映しているに違いない。そして、シンガポール大学でアジア諸国の競争力を研究しているアメリカ人の経営学者は、「20年後は、インドネシアは今の中国になる」と言います。それに対してジャカルタであった現地のM&Aブティックを経営している若い二人のインドネシア人の事業家は、多少なりとも異議を立てる口調で、「20年じゃないよ、5年だよ、5年」と自信たっぷり語る。ということは、インドネシアは次の中国になることに対して、小さいながらもコンセンサスが見られるが、問題なのは時間だけということになる。


日本式ランチーお弁当が人気!
(ジャカルタ商業施設内)

インドネシア語についてですが、年末にバリ島で過ごした一週間では、簡単な挨拶しかを身につけることできないまま日本に帰った。その理由は、バカンスの気分に負けて、勉強にあまり熱心ではなかったことと、バリ島はロシア人が多くいて、ロシア語がインドネシア語と同じくらい頻繁に耳に入っていたからではないかと分析している。その反省をこめて、今回の出張ではジャカルタの国際空港で、数冊のインドネシア語の教科書を買い込んだ。それから3週間が経った今、「インドネシア語を教えてくれる友達ができたらいいね」と願う一方。

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