M&A
M&Aにおける環境デューデリジェンス

2010年2月10日

  • 事業戦略コンサルティング部長 間所 健司

M&Aにおいて、一般にデューデリジェンス(DD)というと、財務DD、法務DD、税務DD、場合によってはビジネスDD、人事DDなど広範囲に行われることがある。

例えば、財務DDは一般に「買収監査」とも呼ばれており、特に非上場会社のM&Aにおいては法務DDと並んで重視されている。財務DDでは、主に粉飾決算の有無が中心となるが、簿外の債権債務(含み損益など)や遊休資産の有無、不良棚卸資産(滞留在庫)の有無などがポイントになる。また、買収後に会計基準を合わせた時の差異なども確認されることが多い。

これらの一般的なDDに対して、M&Aにおいて最近注目されているのが「環境DD」である。これには2010年4月1日以降に開始する事業年度から適用される「資産除去債務に関する会計基準」が少なからず後押ししている。

資産除去債務とは、「有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準じるもの」と定義されている。

現在国内で義務付けられているのは、アスベスト、PCB(ポリ塩化ビフェニル)と土壌汚染である。これらの除去、処理、調査の義務が将来発生することが見込まれる場合、その費用を事前に負債計上しなければならない。

環境DDにおいては、土地の土壌汚染の有無だけでなく、それが事業を継続していくに当たり、どのような影響を与えるかを考慮する必要がある。また、それが買収価格にどう反映させるかも合わせて検討することが重要であるが、仮に買収価格に反映させられない場合には、買収条件や買収スキームを見直すといったことも必要になる。

さらに、海外の子会社が工場を所有している場合など、買収対象会社のみならず、その海外子会社までも環境DDの網を広げていかなければならないケースが増えている。

今後、環境問題に対する関心の高まりを受けて、M&Aにおいても、環境DDの重要性が増していくことは間違いなさそうだ。

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