アジアンインサイト
がんばれ内陸国

2013年9月12日

  • アジア事業開発グループ シニアコンサルタント 葛西 英昭

先日、テレビ東京の情報番組「未来世紀ジパング」でモンゴルが取り上げられ、現在のウランバートルの発展の現状や、モンゴルの親日ぶり、銀行や建設分野で活躍する日本企業が紹介されていた。以前は遊牧を中心とする農業国であったモンゴルは、今やすっかり様変わりしているようだ。

モンゴルは、ロシアと中国の2大国に完全に挟まれ、囲まれた内陸国であり、海への出口は有していない。そのため、製品等の輸送コストがかさむことや、東南アジアの後発国など、他のアジア諸国と比較すると割高な人件費などもあり、外資の生産拠点としての進出は進まなかった。そのため、外資からの技術移転などを通じた自国産業の成長もあまり進んではいない。

以下は、2000年~2012年の名目GDPと、GDPに占める農業、鉱業、製造業の割合を示している。

GDPとセクターの割合

名目GDPは2000年の1.2兆トグログから2012年には11倍超の13.9兆トグログに達している。GDPに占める割合では、農業は2000年の30.9%から2012年には17.1%へ低下、逆に、鉱業は2000年の12.2%から、2012年には21.5%を占めるに至っている。それに対し、製造業は、2012年も7.2%で、2000年の7.5%と、比率としてはほとんど変わっていない。

次に、モンゴルの輸入の動きを見てみよう。経済成長を背景に、輸入も大きく伸びており、2012年には2000年の12.6倍となっている。鉱山開発やウランバートルでの不動産開発の動きに係る資機材や建設財、重機類などの輸入によるところが大きいと考えられる。

モンゴルの総輸入額と日本の対モンゴル輸出額

2012年のモンゴルの全輸入額が対2000年で12.6倍であるのに対し、日本からの対モンゴル輸出は約9倍となっている。品目では、機械類や中古自動車およびそれらの付属品・部品類が多い。

製品・商品の展開に関しては、これまで、その市場規模の小ささや輸送コストからあまり意識されることは多くなかったと考えられるが、経済成長とそれに伴う個人所得、可処分所得の増大が見込まれる中、親日・日本製品への信頼の高い国民性もあり、マーケット開拓の動きが大きくなることが予想される。

内陸国であること、人口が少なく市場規模が小さいことなどから、他のアジア諸国との外資誘致競争ではどうしても不利な立場となっていたモンゴルであるが、資源開発をテコにどれだけ資源関連以外の外資を引き付けられるのか、そしてどれだけ国内産業を育成できるのか、他の内陸国もその動向に注目していることだろう。

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