アジアンインサイト
ミャンマー女性をめぐるトレンド(1)

2013年7月11日

  • アジア事業開発グループ シニアコンサルタント 高橋 陽子

ミャンマーで政府機関を訪問すると、女性職員が多いことに気付く。時には、ミーティングに参加する先方メンバーの全員が女性職員、というようなこともある。
ミャンマーの国家公務員に関する統計により、その印象が裏付けられる。2011年の全国家公務員に占める女性職員の割合は52%、また課長補佐以上の職級に占める女性職員の割合は37%であった(図1)。全職員の2人に1人が女性、また管理職の3人に1人が女性である。
省庁別に見てみると、教育省では全職員の77%が女性で、連邦監査総監局(76.9%)、科学技術省(74.1%)が続く(表1)。これらの省庁では、職員の4人に3人が女性ということになる。逆に女性職員が少ない省庁は、鉄道運輸省(13%)、内務省(13.7%)、エネルギー省(15%)であった。
課長補佐以上の管理職に占める女性職員の割合が高い省庁では、連邦監査総監局が最も多く72.4%、次いで教育省が71.2%、科学技術省が66.2%であった(同)。一方、低い省庁は、連邦選挙管理委員会が0%、内務省(2.4%)、スポーツ省(2.6%)が続く。
この傾向は、国際機関の統計からも確認できる。世界銀行のデータより、ASEAN諸国の労働参加率(※1)につき、男性の労働参加率と女性の労働参加率の差を図3に示した。ミャンマーでは、その差は7.1%ptであり、ラオスの3.0%ptに次いで男女差が少ない。このことから、労働参加において男性と同じく女性が活躍している状況が見て取れる。

女性の社会進出が進んでいるミャンマーだが、同時に未婚女性の比率が高いことが国際機関のレポート等で報告されている。過去のミャンマー政府および国連人口基金の調査では15-49歳の未婚女性の比率は、2007年には44.9%であった。ASEAN諸国との比較をしてみると、35-39歳の年齢階級の女性未婚率では、日本やシンガポールよりも高いことが見て取れる(図4)。ミャンマーの直近のデータである2000年の18.6%の水準は、日本の場合5年遅れの2005年に18.4%(※2)と近づいたことからも、ミャンマーでは女性の未婚化が日本よりも進展していることが分かる。
以上のようなことから、ミャンマーでは出生率の低下が見られる。この現象については、次の機会にて述べることとする。

シンガポール、タイ等のASEAN諸国に加えて、中国、インド等の近隣諸国では、都市中間層を対象とした婚活ビジネスが活況である。特にタイでは日本企業も市場参入を果たしている。近隣諸国のような統計データ等はないものの、各種民間調査機関の報告によれば、近年ミャンマーの都市中間層が増加しつつある点が指摘されている。近い将来、ミャンマーでも婚活ビジネスの土壌が整う可能性は高い。

図1 ミャンマーの国家公務員に占める女性職員および管理職の割合(分布)

図1 ミャンマーの国家公務員に占める女性職員および管理職の割合(分布)
出典:ミャンマー統計局「統計年鑑2011」および人事院資料より大和総研作成

表1 国家機関・省庁における女性職員の比率ランキング(ベスト3/ワースト3)

表1 国家機関・省庁における女性職員の比率ランキング(ベスト3/ワースト3)
出典:ミャンマー統計局「統計年鑑2011」より大和総研作成

図2 ミャンマーの国家公務員に占める女性職員・管理職の割合

図2 ミャンマーの国家公務員に占める女性職員・管理職の割合
出典:ミャンマー統計局「統計年鑑2011」より大和総研作成

図3 ASEAN諸国の労働参加率の男女差(男性労働参加率-女性労働参加率)(1990-2011年)

図3 ASEAN諸国の労働参加率の男女差(男性労働参加率-女性労働参加率)(1990-2011年)
出典:世界銀行「World Development Indicators」より大和総研作成

図4 ASEAN諸国の女性(35-39歳)未婚率の推移(1960-2011年)

図4 ASEAN諸国の女性(35-39歳)未婚率の推移(1960-2011年)
出典:UNESCAPなど各種資料より大和総研作成

(※1)15歳以上人口に占める労働力人口の割合
(※2)内閣府 平成22年版 子ども・子育て白書

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