アジア

ベトナム国における籾殻ボード普及による籾殻再利用促進に向けた事業可能性調査

地域:ベトナムテーマ:官民連携

本件は独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」)の中小企業海外展開支援「基礎調査」として2015年3月に採択され、同年3月~5月にベトナムで2回の現地調査を実施、11月に調査結果の総括報告書を提出して終了した。同事業は、秋田県能代市に本社を置く株式会社能代資源(以下「能代資源」)と当社とで結成した共同企業体がJICAから受託した調査事業である。

経緯:能代資源は1955年創業の廃棄物処理業者であり、廃棄物処理事業の一環として、循環型エコ社会の実現をめざし、固形燃料RPF(※1)を製造していた。2001年に籾殻の野焼きが禁止され籾殻の処理が問題となったことから、同社はRPF製造技術を活用して籾殻から籾殻ボードを製造することで籾殻の再利用化を図っていた。その後、取引先からベトナムでの籾殻処理の状況を知らされ、同国での籾殻ボードの製造による籾殻再利用事業の可能性につき検討を開始し、JICAの基礎調査に応募した。

調査内容:同国の開発課題の現状及び政策動向の確認、籾殻ボードの製造に係る原料調達、製品製造、製品販売に関する事業の実行可能性の調査を行った。具体的には対象地域の政策動向、政府支援動向、事業活動を継続する上での物流、資金、販売面での体制構築の可能性などを模索した。

調査活動結果:対象地域であるベトナムのロンアン省では、過去においては籾殻の河川投棄が行われて水質汚濁等をもたらしていたものの、最近では籾殻は単純に燃料用としてそのまま引き取られるだけでなく、燃料棒に加工された形での取引も増加しており、籾殻は有効利用されていることが判明した。ロンアン省政府と協議の上、籾殻ボード製造事業においては地元国営精米所と連携することにより、農村インフラの改善を通じた農民の生活向上につながる体制構築が可能である旨を確認した。原料調達面では、国営精米所及び民間精米所からの調達が可能である旨を確認し、製品製造面では、現地規格に合致した製品製造のための新設備の導入を行った。製品販売面では、想定市場を製品の特徴が活かせ且つ大手製品との競合が少ない分野に絞り込み、その潜在需要を予測のうえ、現地の販売先候補、代理店候補先、提携候補先との協議を行った。

当面の課題:地元政府による協力体制構築の大枠は確認できた。複数の代理店候補から当該製品に関する関心表明を取得し、現地の日系設計事務所との提携も実現した。現状では、新製品であり知名度が低く市場に浸透していない。現地で見本品の配布を行い、知名度向上への地道な取り組みを継続することが当面の課題である。

(※1)Refuse Paper and Plastic Fuel。古紙のうちマテリアルリサイクルが困難なプラスチック類がコートされたラミネート紙や、自然界に放置しても分解しない廃プラスチック等を原料にした高品位の固形燃料。JIS規格化されている。

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