アジア

日アセアン越境電子商取引に関する調査(2013年12月~2014年3月)

地域:アセアンテーマ:産業調査

本案件(委託元:経済産業省 調査期間:2013年12月~2014年3月)は、日本企業の海外事業展開の拡大、将来の産業振興への貢献の観点から、日本政府による整備支援が効果的と考えられる施策を抽出することを目的とし、ASEANの対象5ヵ国における越境電子商取引(以下、越境EC)に関する市場調査および課題調査を行った。具体的には、①これまでのEC市場規模および今後の推移、②日本製品に対する越境ECの潜在需要、③越境ECに係る現状の課題・解決策などを中心とした調査および分析である。

2015年に経済統合を控えるASEAN諸国の中でも、調査対象国であったシンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムは、経済発展、通信インフラの整備などに伴い、徐々にインターネットが普及し、今後さらなる利用拡大が見込まれている。これに伴い、電子商取引(以下、EC)の市場拡大が予想されており、自国のみならず他国の産業界も熱い期待を寄せている。一方、我が国にはいわゆる「クールジャパン」という言葉に代表される通り、海外の消費者に通じるコンテンツや高い技術力を用いた製品が存在しており、今後の高い購買意欲が見込まれる上記各国への販路拡大は、我が国の産業振興に大きく貢献するものと考えられる。

対象5ヵ国のBtoC-ECの市場規模については、過去から現在に至るまでのEC市場規模の推移、および今後のEC市場規模の推移予測を独自算出したところ、2018年のBtoC-EC市場規模はインドネシアが最大となり、その間のEC市場規模伸び率トップはベトナムという試算結果となった。

また、ECサイトでの購入経験がある対象5ヵ国の消費者(合計1,032名)に対して、自国EC購入行動、越境EC購入経験、日本製品に関する関心等について、ウェブアンケート調査を実施したところ、対象5ヵ国の消費者は、自国EC対比での越境EC全般に対する不安が少ない/日本の消費者と比して1人あたりのEC支出金額について高額支出の分布割合が高い/越境ECをより積極的に利用する、などの特徴が明らかとなり、対象5ヵ国の越境ECへの潜在性の高さが明らかとなった。さらには、日本企業・製品に関する関心では、自動車、家電、衣料、食品のほか、EC事業者が上位にランクインしており、ASEANとの越境ECに期待を持つことができた。しかし、一方で、対象5ヵ国との越境電子商取引先国別の利用金額順位では、日本は、第4位~第7位程度にとどまっていた。

対象5ヵ国のBtoC-EC市場は、日本のBtoC・EC市場と比較すれば小規模であるが、5年後には2倍以上の規模拡大が予想され魅力的な市場である。一方、消費者アンケートやEC事業者アンケートからは、日本のEC事業者が越境ECを推進する上で、幅広い課題の解決が必要であることが明らかとなった。

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