アジア

上海財経大学主催、中国の金融発展に関する国際会議に参加

2012年3月31日

3月31日、上海で、上海財経大学金融学院を始めとする上海の諸研究機関が主催する国際会議「中国の金融の安定的発展に関する内生・外生要因」が開催され、上海在住の研究者の他、米国からサンフランシスコおよびダラス連邦準備銀行のエコノミスト、日本から大和総研の金森俊樹常務理事が参加しました。会議では、国際金融センターを目指す上海の大きな関心である中国金融市場の発展や人民銀行の金融政策上の諸問題に加え、中国のマクロ経済動向、米国経済動向や欧州信用不安等、現下の世界経済が直面する様々な問題について活発な意見交換が行われ、上海の大学・研究機関等と大和総研との交流強化の機会となりました。

中国の金融に関しては、近年、人民銀行にとっての人民元の不胎化コストが上昇し人民銀行が不胎化に消極的になってきたことが、中国での過剰流動性やインフレ圧力増大を招いたこと、最近の人民元相場については、均衡値に近づいているとの声が多くなっているが、中国の貿易黒字基調は再び戻ってくる可能性が高く、慎重に見極める必要があること、また均衡為替相場についての考え方、特にその水準については、経済のファンダメンタルズに対する将来期待が考慮されるべきこと、相場上昇が対外不均衡を改善する効果があることは明らかである等の指摘が米国の研究者より出されました。また中国の研究者からは、現状中国は「未成熟の信用供与国(immature creditor)」であり、資産面では米ドル、負債面では人民元が蓄積されるという通貨のミスマッチがある点が強調されました。また中国経済の当面の見通しについては、中国の研究者から、インフレは昨年6月ピークを打ち、今や金融緩和政策を採れる(あるいは採るべき)時期にきていること、中国経済は基本的に総需要が総供給を上回っており生産拡大に焦点を充てるべきこと、本年第1四半期が景気の底で第2四半期から上向く見通しであり、本年成長率が政府目標の7.5%を大きく上回ることは間違いないこと、消費拡大が叫ばれているが、中国にはなお膨大なインフラ需要があり、当面は投資主導の成長を維持すべき(できる)等、総じて強気の見通しが示されましたが、一部、慎重な見方をする中国の研究者も見られました。また、欧州信用不安に関しては、安全網の拡充で収束に向かいつつあるという楽観論と、問題の先送りでなお不透明であるという慎重論が交錯しました。金森常務理事からは、中国人民銀行の金融政策の特徴、マネーサプライの歴史的傾向、およびそれらに関連しての中国経済の抱える構造上の問題等について報告が行われました。

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