アジア

ミャンマー証券取引所運営事業の輸入・投資事業化等促進調査に係る業務

地域:ミャンマーテーマ:金融資本市場

ミャンマーでは、1990年代から資本市場の創設を目指す動きが見られたが、2011年にテイン・セイン政権が発足し、資本市場育成の動きが加速した。背景には、2015年末に予定されているASEAN経済共同体(AEC)の発足に伴い、周辺諸国との競争激化に備える必要があることが指摘されている。

ASEANでは、ミャンマー、ブルネイを除く8ヵ国全てにおいて証券取引所が稼働しており、各国の上場企業は資本市場から多額の資金を確保することができる。一方、ミャンマーの企業に関しては、身内などから資金を集めるか、銀行から借り入れるしか方法がなく、現状では金利は二桁台であり、周辺諸国と比較すると機動的な資金調達が難しい状況である。従って、今後ミャンマーの企業の競争力を維持するためには、早急な証券取引所開設が不可欠と考えられてきた。

日本はミャンマーの資本市場育成において、官民一体となって支援を行っている。2012年5月にはミャンマー中央銀行、東京証券取引所グループ(現日本取引所グループ)、大和総研の3社が、ミャンマーにおける証券取引所設立及び資本市場育成支援への協力に関する覚書を締結した。また、同年8月にはミャンマー中央銀行、日本の財務省財務総合政策研究所が、ミャンマーにおける証券取引法令の整備・人材育成を目的とした覚書を、2014年1月にはミャンマー財務省と日本の金融庁が金融分野の技術協力で覚書をそれぞれ締結した。

このような中、大和総研が受託した「ミャンマー連邦共和国におけるミャンマー証券取引所運営事業の輸入・投資事業化等促進調査(委託元:国際協力機構 調査期間:2013年9月~2014年2月)」では、ミャンマーの証券取引所に関して、(1)取引所会社の基本設計についてまとめ、その実現可能性を探ること、及び(2)証券取引所開業後の収益シミュレーションを作成すること、の2点に焦点を当てて調査を行った。

調査にあたっては、他のASEAN諸国の証券取引所の開業以来の状況について、様々な観点から情報収集を行い、ミャンマー国内の現状と比較する手法を採った。特に証券取引所運営の成功の鍵となる「上場企業数」、「売買回転率」に関しては、ミャンマー国内には優良な民間企業が豊富であり、潜在的な投資家も相応に存在すると考えられることから、ASEAN周辺諸国の中でも順調な立ち上がりが期待できるとの結論に達した。

なお、その後2014年12月に「ヤンゴン証券取引所(Yangon Stock Exchange)」が設立され、2015年中の開業に向けて準備が進められている。

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