アジア

ベトナムにおけるバイオエタノール生産事業に関する実行可能性調査の実施

2011年3月11日

株式会社大和総研は、2011年3月11日、独立行政法人国際協力機構(JICA)と業務委託契約書を締結し、BOPビジネス連携促進プロジェクトとしまして、ベトナムにおけるバイオエタノール生産事業に関する実行可能性調査(以下、「本調査」という。)を実施することになりました。本調査は、株式会社アースノート(※1)(沖縄県)、ヤンマー沖縄株式会社(沖縄県)および株式会社ダイトク(大阪府)と共同して実施されます。

本調査は、ベトナム北部におけるバイオエタノール生産事業(以下、「本事業」という。)の実行可能性を検証することを目的とします。具体的には、実証栽培、機械化検討、農村家計調査などが含まれます。本調査の実施に際しては、ベトナムのタイグエン農林大学(※2)の協力を得て実施されます。

本事業は、上記の実行可能性調査を経て、必要とされる条件が具備されていることが確認されば、下記のようなスケジュールで事業が開始される予定です。

事業化スケジュール:2011年3月〜2012年8月 ベトナム国バイオエタノール生産事業準備調査(本調査)/2012年9月〜2014年3月(予定) 事業化準備段階/2014年4月(予定) 本事業開始

バイオエタノール生産事業は、ガソリン代替燃料であるバイオエタノールを原料作物の栽培からエタノールの生産販売までを一貫体制で行います。本事業の特徴は次の通りです。

第一は、バイオエタノールの原料作物としてスイートソルガムを活用する点です。これまでICRISAT(国際半乾燥地熱帯作物研究所)をはじめとする国際機関等の一部の研究者により、スイートソルガムの優秀性は認識されてきましたが、商業活動を行うには品種改良等が必要だと指摘されてきました。本事業で用いるスイートソルガムの種子は日本で品種改良されたものであり、既に沖縄では栽培実績があります(写真参照)。

第二は、原料作物の栽培からバイオエタノールの生産・販売までを一貫して行います。特に、原料作物の栽培に関しては、従来型のバイオエタノール生産事業では、サトウキビ、キャッサバなど既存の作物を原料にバイオエタノールが生産され、また、原料作物は実質的に市場で調達されるのが通常です。これに対し、本事業においては、本事業の事業者自らが直接的に栽培に従事する計画です。具体的には、事業者は現地において最適な種子を選定し、また、土壌設計など契約農家への栽培指導等を実施する予定です。

第三は、本事業では、持続可能なベトナム農業およびベトナムの農村社会に過大な負荷をかけない事業という理念を掲げております。本事業を通じて、ベトナム農村における農家所得の向上ならびにベトナム農業の近代化および最適な機械化を目指す予定です。

スイートソルガムの写真 出所:株式会社アースノート
  1. (※1) 株式会社アースノートは、バイオエタノールの原料作物として注目されるスイートソルガムの育種・栽培に関する科学的知見・ノウハウを有するベンチャー企業です。スイートソルガムの品種改良等は、日本政府、沖縄県、東京大学、名古屋大学、琉球大学などと連携しながら進めております。本事業においては、原料作物であるスイートソルガム種子の供給および契約農家への栽培指導等などを行う予定です。
  2. (※2) タイグエン農林大学は、ベトナム北部の主要国立大学であるタイグエン大学に所属する農林業分野の単科大学であり、1970年に創立されました。同大学は、ベトナム国内における農業研究・教育を行なう4つの主要な国立大学のひとつとして位置付けられます。

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